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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第26章 合同任務


「任務の詳細を教えてくれ」

光希は歩きながら肩に乗せた鴉に聞く。


「わからない」
「わからない?」
「情報が少ないんだ」
「珍しいな。一般隊士の情報は?俺が今までに共闘したことある?」
「ない。呼吸は、水、風、炎だ」
「炎がいるのか……逆転は無理か」

「善逸」
「ん?」
「この任務、いくつか気になるところがあるんだ。いろんな人の音を注意深く聞いててくれな」
「わかった」


光希は細かく鴉と打ち合わせしている。
善逸も隣でそれを聞いていた。


「だいたいわかった。ありがとう、鴉くん」

「……鴉くん?」
「ん?善逸、どうかしたか?」
「お前の鴉、鴉くんて名前なの?呼んでるの初めて聞いた」
「名前じゃないけど、そう呼んでる」

「なんだ、文句あんのか、黄色頭!」
「文句はねえよ!口の悪い鴉だなっ!」
「まあまあ鴉くん、落ち着いて」

「何で名前で呼ばないの?」
「鴉くん、名前教えてくれないから」

「俺の名前は関係ない。光希が好きに呼べばいいと言ったんだ」

「関係なくないよ。前の隊士か、自分でつけた名前があるだろ。だから、俺はそれを塗り変えることをしたくなかったんだ。鴉くんの、大事な名前なんだから」

「だから、鴉くんって愛称で呼んでんのか」
「そう。鴉くんの今までの軌跡も大事にしたいから」

そう言って光希は鴉を撫でる。


「お前、鎹鴉好きだよな。冨岡さんの鴉にも敬語だし、チュン太郎にも優しいしな」

「俺は鴉たちを尊敬してるから」
「へえ」
「だって、鴉たちは人の言葉を喋るんだぞ。俺たち鳥の言葉わかんねえのに。凄いだろ」

「チュン太郎、喋れねえぞ」

善逸がそう言うと、チュン太郎は怒って善逸をつつく。

「いてて!やめろよ!」

「あはは。ほら、喋れなくても善逸の言ってることを理解してる。その段階で、俺達よりこの子達の方が凄いんだよ」
「……まあ、そう言われれば、確かに」

チュン太郎が善逸の肩の上で、もこっと膨れて威張る。


「はは。可愛いなぁ、チュン太郎。鴉くんもいつもありがとうな」
「……おう」


鴉を尊敬するなんて考えたことなかった善逸は、光希の発言に感心する。


「チュン太郎、お前、凄いのな」


チュン太郎は嬉しそうに「チュン!」と鳴いた。

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