第26章 合同任務
ご飯を食べて、片付ける。
洗い物が終わると、光希が善逸に声をかける。
「出発まで、準備するね」
「おう」
「ごそごそしてると思うけど、気にしないで」
「うん。ご自由にどうぞ」
「ありがとう」
鬼殺隊士はそれぞれ任務前のゲン担ぎをしている人が多い。善逸は特にないが、光希はきっとあるのだろう。
そこはいかに恋人であろうと不可侵領域だとわかっているので自由にさせる。
光希は出発まで瞑想で集中をあげたり、庭を軽く走ったり、自分で決めたルーティーンをこなしていく。
上着を着て、いつもの薄紫色の羽織を着る。
そして、最後にお守り袋に呟いて、胸元にしまった。
……『どうか、善逸をお守りください』
聞こえないようにかなり小さい声だったが、善逸の耳は聞き取ってしまった。
そこへ、鴉とチュン太郎がきた。
「チュン!チュン!」
「二人とも行けるか?」
「大丈夫だ」
「行けます」
善逸と光希はそう答えて玄関へ向かう。
玄関で目が合う二人。
「光希。また二人で帰ってこような。この家へ」
「うん」
どちらからともなく、口付けをした。
玄関を出ると、光希の顔付きが変わる。
見慣れた凛々しいその顔立ちに、これはこれで好きなんだよな…と善逸は思う。