第26章 合同任務
翌朝、光希は日の出と共に目が覚めた。
善逸はまだ夢の中だったので、そっと起きる。静かに隊服に着替える。上着は着ずに、晒を巻いて白いシャツだけを着る。
朝餉の準備をしながら、屈伸や腕の曲げ伸ばしをする。
何度こなしても任務前は緊張する。
朝餉を何時でも食べられる所まで作り、火から下ろして庭に出る。
軽く身体を動かして調子を見ていく。手足の筋肉疲労もすっかり良くなっている。
そして空を見る。
いい天気だ。
目を閉じて風を感じる。
いい風が光希の髪をゆらした。
鞘を右手に持ち、左手で居合い切りをする。
ヒュン!と力強い音がする。
一度納刀し、もう一度構える。
水の呼吸……と呟いて再び居合い切りをする。
今度はゴオッと音がして、刃に波紋が広がった。
「……よし」
キンッと音をたてて刀をおさめる。
光希は満足したように家に戻った。