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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第25章 明日の命※


夕方になると光希の身体もだいぶ回復した。
昨日の鍛錬の筋肉痛も癒えてきた。

善逸が家のことをいろいろとしてくれている間、光希は縁側でぼんやりしていた。
日輪刀を抱え、柱にもたれながら外を見ている。


「身体、どう?」

善逸が後から声をかける。


「だいぶいいよ」
「良かった」


「布団乾いたな」
よいしょ、と布団を取り込む善逸。


光希はまだ外を見ている。


「どした」

布団を部屋に入れ、隣に座る善逸。


「うん……」
「何考えてんの?」


「俺たちに明日はあんのかな……って」


光希は夕焼けを見つめて呟く。


「さあな、わかんねえ」

善逸も夕焼けを見つめる。
沈み始めた夕焼けは空を橙色に染め上げる。


「俺たち、いつ死んでもおかしくねえからな」
「ああ……」

「わかんねえけど……、願わくは、明日もこうして光希と一緒にいたいな」
「そうだな……」


「明日あるかわかんねえ命だからこそ、抱き合うんだ。布団も乾いたし、部屋に行くぞ」


善逸がそう言って笑う。


「やだよ。やっと動けるようになったのに」


光希はぷいっと顔をそむける。
頬が赤いのは夕焼けのせいか、善逸のせいか。


二人はしばらく縁側にいた。
今というときを惜しむように。



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