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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第24章 雷の呼吸


「兄ちゃんたち、あそんでー!」

三人の男の子が二人を取り巻く。


「いいぞ、ちょっとだけな。あ、あっちの兄ちゃんは足が痛くて走れないから、俺が遊んでやるよ」

善逸が返事をする。


「善逸、いいのか?」
「ああ。別に帰宅も急がないだろ」


「兄ちゃん、あんよ、いたいの?」
「ちょっとだけな。心配してくれてありがとな、よし坊」


「ぜん兄ちゃん、なにしてあそぶ?」
「んー、かけっこしようか」
「かてるわけないじゃん、ぶー!」

「はは、お前らは先に走っていいぞ。あの木までだ。ほら行け!」


きゃーと声を上げて走っていく子どもたち。
善逸はスタート地点で「頑張れー!走れー!」と声を出して子どもを応援する。


「あいつら、いくつ?」
「えっと、ニ、四、五、だったかな?」


「ぜん兄ちゃーん!かっちゃうよー!」
「へへっ、ここまでおいでー!」
「きゃーっ!」

楽しそうに木まで走る子どもたちを目を細めて見つめる光希と善逸。
木まであと少しだ。


「よおーし!じゃあ追いかけるぞーー!」


善逸は声をかけて走り出す。
それは、その名の通り、全速力だった。
ドンッという音と共に消える善逸。


……え?


にこやかに細められてた光希の目がまん丸になる。



善逸は、その身に閃光をまとって駆け抜けて、子どもたちを一気に抜き去り木に触れる。


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