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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第24章 雷の呼吸


「うっ……」
光希が眉を寄せ、そっと目を開ける。

光希は縁側に寝ていた。足は桶につけられており、頭の下には半分に折られた座布団が入れられている。


ちらっと目を横に向ければ、片膝を立てて座っているキレ気味の黄色頭が見えた。


「なあ、お前、無茶って言葉知ってる?」


すぐに目を閉じて寝たふりをするが、盛大に怒られた。


身体を起こそうとするが、腕に力が入らずに起き上がれない。

善逸が助け起こしてくれる。


「ごめん」
「……何に対して?」
「全部」
「めんどくさいからまとめただろ」
「はは、ばれた」

手を握る。力が入らない。
袖を肩まで捲り、そのまま前に倒れて腕も水に付ける。


「ふー……きっつ……」
「お前、いつもこんな感じなのかよ。鍛錬」
「まあね」
「まじ、かよ」
「大丈夫、その辺で倒れてても母ちゃんが助けてくれるから。あはは」
「何がどう大丈夫なのか理解に苦しむわ」

善逸は溜息をつく。


光希は腕を冷やしつつ、水の中でふくらはぎを揉んでいる。

足はだいぶ感覚が戻ってきているようでホッとした。


「なぁ、敵が動いた時はさ、」
「もー駄目!もうお終い!倒れたからね倒れましたからねあなた!皆に心配かけたからもう駄目です!俺も今日はもう何も言いません!!」

「ちぇっ」
「何がちぇっ、だ」

「じゃあ、一個だけ!」
「……なに」
「最後のやつ、どうだった?霹靂一閃ぽくなってた?」
「……ああ。閃光も出てたし、速さもあった。立派な霹靂一閃だったよ」

「よっし!」


光希はにこにこと笑った。


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