第24章 雷の呼吸
打ち込み台を切り、その後ろで光希が「ぎゃあっ!」とすっ転ぶ。
足の踏ん張りが効かなくて止まれなかったようだ。
「光希っ!」
善逸が駆け寄る。
「義勇さん!!」
足が相当痛いだろうに、光希は善逸のことも足の事も気にしていない。転んだ体勢のまま義勇に呼びかける。
「これと、水を合わせて作っていきたいと考えています!どうでしょう」
「いいだろう」
「やった……へへ、ありがとうございます……」
そのまま光希は、善逸に支えられて意識を飛ばした。
こいつは天才なんじゃねえ
クソ真面目な努力家なんだ……
善逸は気を失った光希を縁側まで運んだ。