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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第24章 雷の呼吸


光希が稽古場に行くと、稽古着を着て柔軟をしている善逸がいた。

「え?それ……」
「母ちゃんが作ってくれてた!俺の!」
「良かったなー似合うじゃん」
「へへっ。すげー嬉しい」

「そうか。じゃあ今日の鍛錬はやる気もりもりだなっ!」
「まあな。いつもよりはな」

にこにこと笑う善逸に、光希も嬉しくなる。


お互いに押し合って柔軟をし合う。


「なあ、善逸。頼みたいことがあるんだ」
「ん?なんだよ?」
「あのさ、いってて……ちょ、待て、」
「お前、女なのに硬いよな」
「あたたた!降参降参!」

「頼みって何?」
「雷の呼吸、教えてくれ」



「……は?」


「壱ノ型。あの速さを出せるようになりたい」

突然の提案に、目を丸くする善逸。


「一つの型出来るようになるまでどんだけかかると思ってんだ。まじで言ってんの?頭大丈夫?」
「もちろん、今日一日で出来るようになるとは思ってないよ。ただ、さっき一緒に走ってて、やっぱり凄いなって思って」

「見惚れていた、と」
「そうそう」
「思ってねえな」
「凄いとは思った」
「見惚れては、ないわけね……いだだだだ!」

「お前もなかなか硬いよな。伊之助ならあと拳一つ分開くぞ」
「あの軟体動物と一緒にすんなっ!いででで!」


「基本の部分だけでいいんだ。あとは自分で昇華させる。完全に雷の呼吸を習得するのはできないだろうから、改良してみる」
「はぁ、はぁ、他の呼吸なんて使えるのか?」

「使える。状況は違うけど、炭治郎は二つ使ってる」


なるほど、と善逸は思う。


「まあ、教える分にはいいけどよ」
「ありがとう!」


二人はまず準備運動がてら竹刀を合わせる。
速くて強い善逸の斬撃は、光希をわくわくさせる。

光希の意表をついた動きと身体のこなしに驚く善逸。相当な修羅場をくぐってきたのだとわかる。先読みと状況判断の速度がえげつない。


「久しぶりに鍛錬を面白いと思う!」
「そうか!そりゃよかった!」


二人は楽しそうに剣を振った。


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