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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第24章 雷の呼吸


準備をして、二人で家を出る。


「蝶屋敷に戻んなくていいの?」
「うん、いいんじゃない?炭治郎と伊之助には隠れ家の事言ってあるから、わかってるだろうし……」
「胡蝶さんも知ってるとは思うけどね」
「そうなの?俺、言ってないよ?」
「知ってる。たぶんね」

寝てる善逸の前で義勇と話したことを覚えていない様子。鈍い奴だな、と思う光希。


「胡蝶さんがアオイさんたちに何て説明してるかわんないけど。蝶屋敷で善逸の死亡説が流れてるかもね」
「それは、……嫌だな」

「それか、善逸が居ないことに気付いてないかも。カナヲなんて特に」
「それはそれで、……悲しいな」


「……チュン太郎にお願いしよう」

善逸は手紙を書いてチュン太郎に渡した。



「抜け道でいくか」

冨岡邸の竹林が見えてきたときに光希が声をかけた。

「抜け道?」
「ああ、しんどいぞ。でも人に会わないから短時間でいける。俺はそっちでいくけど、どうする。善逸は普通に行ってもいいよ」


楽しそうな顔をする光希。

……この顔をするってことは、相当しんどい道なんだな


「付いてくよ」
「よっしゃ」

光希は背に隠していた日輪刀を取り出し、左手に持つ。


「こっちな」

がさがさと竹藪に入っていく。
竹藪の中に入ると、手足をぷらぷらと動かす。ぐっぐっと、脚や腕の筋を伸ばして、細かく何度か飛び跳ねる。
善逸も軽く身体を動かす。


「よし、走るぞ!」
「へいへい」


隣の善逸に声をかけて、光希は走り出す。


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