第22章 隠れ家 2 ※
光希は身体は仰向けのまま、顔だけ善逸の方に向けている。
善逸は、光希の髪を撫でる。
「可愛いなぁ、光希は……」
「……どしたの、急に」
「急じゃない、俺はいつも思ってる」
「……そう、ありがと」
「お前、だいぶ眠いだろ」
「……正解」
「疲れたな」
「うん……」
光希の目が、とろんとしてくる。
「なんか、いろいろと綻びだらけの、とんでもない初体験になっちゃったな……」
「……はは、俺たちらしくて、……いいじゃん」
「……光希?」
「私たちは、二人で一緒に頑張んないと、駄目駄目なんだ…よ、……俺も、お前も……」
「はは、こりゃ、相当眠いんだな……」
「ん、眠い……。ちょっとだけ…寝させて、無理……」
「いいよ。安心してお休み」
善逸は光希の頬に口付けを落とし、掛け布団を被せて自分も隣に潜り込む。
「ふふ。初めて…が、善逸で、よかっ、…た。……一生、忘れな…い、よ……」
そのまま光希は眠った。
身体を丸めることなく、安堵の表情を浮かべて。
「こら……、殺し文句を寝る前に言うんじゃねぇよ……」
善逸は顔を赤くして、再加熱しそうな己の身体を必死で宥めた。
……俺も、忘れねえよ。こんな失敗だらけのこっぱずかしい初体験、忘れられるわけねえだろ
行為後の興奮冷めやらぬ善逸は、眠くなるどころか、目が冴え渡っていた。
幸せを噛み締めながら、隣で眠る少女を見つめていた。