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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第22章 隠れ家 2 ※


善逸は、彼女の過去を呼び起こさないようにすぐに布で光希のお腹の上の精液を拭い去る。

「はー……、はー…、……っ、はぁ、はぁ、大丈夫か、光希……」
「はぁっ、はぁっ……、生きてる、よ」


光希は恐怖を思い出すこともなさそうで、着たままの羽織を前で閉じ、恥ずかしそうに身体を隠す。
善逸も着物を羽織る。

善逸は、光希の頬に流れる涙を、指で拭う。



お腹にかかった精液にも、お尻の下の布にも、少量の血が混じっている。
光希も自分で陰部を拭き、出血を確認する。


「痛かったよな」

光希から布を受け取って片付ける善逸が、申し訳なさそうに、言った。


「……そりゃあね」
「ありがとう、光希」

善逸は隣に寝転んで光希を抱きしめながら、ごめんじゃなくて感謝を伝えた。

光希は身体が痛いのか、抱きしめられたまま身体を動かさずにじっとしている。


ドッタバタの初体験。

途中何度も止まり、少し引き返してはまた進み、順調にいかないながらも何とか最後まで辿り着いた。諦めずに、二人で手を取り合ってここまでこれたことを嬉しく思った。

過去と戦って、己の弱さに涙し、萎縮や緊張、励ましや安らぎ……
沢山の感情が短時間で大きく揺れ動き、内容としては散々だし、稚拙極まりないものではあったが、ある意味すんなりいく人たちより余程劇的だっただろう……



「なんか……まだ、実感ねぇな……」

善逸が光希を抱きしめながら呟いた。
やっと一つになれたんだな……と思うと込み上げるものがある。


「私は、実感しかない……」

光希は頬を赤らめながら、少し拗ねたように言う。


「まだ痛い?」
「お腹と腰、痛いよー。あとお股!壊れた!」
「壊れねーよ。って、知らないけど」
「血ぃ出たもん」
「布、敷いといて良かったな」


また、いつものように話す。


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