第3章 藤の花の家で
炭治郎は部屋で手紙を書いていた。
「おかえり、光希」
「ただいま。珍しいな、手紙なんて」
「ああ。俺の育手にな。時間のあるうちに書いときたくて」
光希は、炭治郎の側に置かれている木箱を見る。
「なぁ、炭治郎。ちょっとだけ、禰豆子に会えるか?」
禰豆子、という言葉に反応して、縁側にいた善逸は直ぐに部屋に入る。
「なんだお前!禰豆子ちゃんに何の用だこらぁ!炭治郎より先に俺に許可取れよ!!」
「あーもう、うるせーのが来ちまったよ。全く。やだやだ」
「禰豆子か?んーどうだろ。起きてるかな」
炭治郎が筆を止めて蓋を開けると、禰豆子がひょこっと顔を出した。障子をしっかり閉めて、光希が禰豆子近付く。するといつものように禰豆子はにこにこしながら光希に抱き付きにいった。
「炭治郎、ちょっと禰豆子借りる」
そう言って光希は禰豆子を抱き上げて、部屋の隅に行った。
「お、おい何してんだお前!いつもいつも禰豆子ちゃんにくっつきやがってぇ!」
「うるせーちょっと黙ってろ」
光希は善逸を少し睨みながら、禰豆子を降ろして身体を触り始める。
「ちょ待てお前まじで何してんの本当に!お兄さんお兄さん、妹が何かされてますよ、ねえ!止めて!」
「おい善逸、大丈夫だ、落ち着け」
少しすると「よし、出来た!うん、いい感じだ。兄ちゃんに見せてこい」と光希が禰豆子に話かける。
頬を紅潮させた禰豆子は満面の笑みで頷き、ててて、と炭治郎の前に行った。