第21章 隠れ家 1
光希は冨岡邸に着いた。
義勇の出発前に到着し、ほっとする。
「早いな」
「はぁはぁ、義勇さんをお見送りしたくて。お家、すっごく大きくてびっくりしました。ありがとうございます。嬉しいです」
「ああ」
「仲直りしたのか」
「はい。道中、怒鳴り合いの大喧嘩になりましたけど。あはは。ご心配おかけしてすみません」
光希はそう言って笑った。
「指令来たのか」
「はい。ここへくる途中。つい先程です。今夜から時透さんと合同です」
「二人か」
「はい。軽く鍛錬して、任務に行ってきます。打ち込み台を新調していただいてありがとうございました」
「まだ本調子じゃない。油断するな」
「はい」
義勇は玄関を下りる。
「行ってくる」
「ご武運を」
光希が礼をとり、義勇は屋敷を出ていった。
義勇を見送ると光希の顔つきが変わった。稽古場で鍛錬をし始める。
疲れを残さない程度に夕方まで鍛錬をして、千代に声をかけて任務へと出発した。