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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第19章 宣言


縁側で男二人、残される。
義勇は光希が置いていった水を飲む。善逸は桶の中でゆっくり足を動かしてみる。

水筒と桶から、チャプン……と水音がした。


「家は勝手に使えばいい。だが……」

義勇が言葉を止めたので、ん?と義勇の方を見る。

「絶対に、あいつを孕ませるなよ」

義勇は善逸をしっかり見ながらそう言った。善逸は初め何を言われたのかわからずにポカンとしたが、意味がわかって猛烈に赤面し、わかりやすく動揺した。


「は、はい」
「妊娠しやすい日を知っているか」
「い、いえ、知りません」
「教えてやる。覚えろ。危険な日は抱くな。死ぬ気で我慢しろ。安全な日でも必ず外に出せ」


善逸にとっては鼻血を吹きそうなくらい刺激の強い話を、顔色一つ変えずにまるで業務連絡のように淡々と説明していく義勇。そんな義勇の「大人の余裕」を見せつけられて、なんだか悔しくなった。


一通り説明を終えた義勇は、善逸に足を動かしてみるよう指示をする。

善逸は顔を赤くしたまま桶から右足を上げて、足首を回したり振ってみたりする。痛みはない。

善逸は手拭いで足を拭く。


「光希は、鬼殺隊の希望と言われている」
「希望……」
「無惨を倒すために、『逆転』は欠かせない一手だと俺たちは考えている。隊の中であいつの存在は、ある意味俺以上だ」

「そう……なんですね」

「だからといって、お前がそれに臆することはない。お前はお前で、今まで通りにあいつに接すればいい。あいつの中でお前は、鬼殺隊以上の存在だろうからな」
「……なんだかよく解りません」

「お前はあいつの幼馴染なのに、頭が悪いな。俺がこんなに喋ってるのに」
「俺は普通です。あいつが賢すぎて俺が馬鹿に見えるだけです」


義勇は善逸に立ってみろと指示をする。
善逸は縁側に立って、トントンと足踏みする。


「痛くないです。ありがとうございます」


善逸は座って捲くれ上がったズボンを下ろす。ズボンの上から軽くふくらはぎを揉んでいく。


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