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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第18章 新たな関係性


光希は出発前にしのぶに挨拶に行った。

「今日は善逸くんも一緒に行くのですね」
「はい。……何故それを?」
「風の噂です」

聞くな、ということだろう。しのぶがにっこりと微笑んだ。
光希は追求せずに、深々と頭を下げた。


「胡蝶さん、今回も大変お世話になりました」
「いえいえ。光希さんがいてくれると、この屋敷は活気がでます。冨岡さんに愛想をつかしたら、何時でも戻ってきてください」
「はい」

笑いながら、しのぶは義勇へのお土産と手紙を光希に渡した。

「では、失礼いたします」

荷物を受け取り、光希は退室した。


廊下を曲がると善逸がいた。

「挨拶は済んだのか」
「うん」

光希が抱えている荷物を、スッと持つ善逸。

「忘れ物はないか」
「大丈夫。ありがとう」

玄関に行くと皆がいた。


それぞれに声をかけ、挨拶をする。


門で頭を下げて、

「ありがとうございました!また、遊びに来ます」

と叫ぶ。


光希は笑顔で手を振って屋敷を出ていった。




冨岡邸までの道のりを、善逸と二人で歩く。前回は足の早い義勇に置いていかれまいと頑張ってついていったことを思い出す。



「屋敷まで結構距離あるからな。走るか?」
「いや、早く出たんだから、急がず行こう」

善逸は荷物を持っていない方の手で、光希の手をとった。

「光希とこうして二人で歩くの、久しぶりだしな」
「そうだな」
「…………」
「………そうだね」
「よし」



いつも通りに話して、笑って。

黄色の羽織と薄紫色の羽織が、同じ歩調で寄り添い合いながら歩いていった。


この時間を愛おしむように。

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