第18章 新たな関係性
翌朝、善逸は目を覚ますと腕の中にぬくもりがあることに気がついた。
なんだろ……と覚醒しきってない頭でぼんやり考えていると、
「おはようございます、善逸さん」
と怒気を含んだ恋人の声が胸元から聞こえた。
その途端、寝ぼけていた脳みそが、敏腕家政婦が猛烈な速さで部屋を片付けていくかの如く、ストトトト…と整理されていく。
「よくお眠りになられてたようで、何よりです」
善逸が起きる少し前に光希は起きたようだ。善逸は怖くて光希の顔が見られない。
冷や汗が流れる。
「……おはよう。俺の可愛い光希ちゃん」
覚悟を決めて、声をかける善逸。
そこから、地獄の説教が始まったのだった。
説教が終わると善逸は部屋から追い出された。
「あんなに怒んなくたっていいじゃん。何もしてないのにさ。寝ちゃったんだからしょうがないじゃん」
ブツブツと呟く善逸。
昨夜の彼の行動は計算されたものではなかったとわかる。
ムスッとしながら自室に戻ると、まだ炭治郎と伊之助が寝ていた。二度寝でもしようかと思ってベッドに寝転ぶが、思いの外疲れが取れていて眠くなかった。
時間にすると短かったはずだが、深く眠れていたようだ。
「……なかなかの睡眠効果、だな」
善逸は両手をじっと見つめた。
寝てたから覚えてないけど、ちゃんと幸せを感じてた気がする。