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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第18章 新たな関係性


「え……」
「手は出さない。わかってる。そばに居たいだけなんだ」

「手は出さないって、そんなこと無理でしょ……」
「だって!今夜しか一緒に居られないんだぞ。次はいつになるか……」

「一晩中我慢するつもり?」
「うっ……やってやるよ!俺の我慢力、舐めんなよ!」


はぁ…と溜息をつく光希。

「駄目。我慢させるのが我慢できない」

光希は善逸の願いを却下する。


善逸の腕から抜け出し、紙と筆記具を出す。
椅子に座って机にむかう。


「こっちおいで、善逸」

拗ねてる善逸に声をかける。
善逸の目はまだ諦めてない。


「こっち来て一緒に隠れ家の話をつめようよ。
我慢して眠れない夜を過ごすより、我慢しなくてすむように状況を整える方に時間を使おう。ね?」


善逸は無言で椅子に座りに来る。


「拗ねないでよ。今夜は無理。私の身体も、場所も無理でしょ」
「わかってるよ……だから、寝るだけだっていってるのに……」
「我慢も無理もさせたくないの」
「もう、今まさに我慢してる」

「じゃあ……今だけ我慢して。頑張れ、善逸。最後の我慢だ」
「最後の……」
「そう、最後の我慢。そう考えれば我慢できるでしょ。だってほら、隠れ家が出来たら……、ね?」

ふふふっ、と含みを持たせて笑う光希。
頬を赤らめる善逸。


「お、女の子がそんなことを言っちゃ駄目だろ。はしたないとか少しは思えよ」
「え?私、何も言ってませんけど?」
「こいつ……」
「やらしいこと考えないでくださーい」


二人はじゃれ合いながら、隠れ家について話し合う。場所、だいたいの価格、間取り……話が具体化していくにつれ、現実味を帯びて胸が高鳴る。


幸せを感じながら、二人の夢を思い描く。
子どものころ、遊びで作っていたものが形を変えて実現しようとしていた。



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