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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第17章 友が起きるまで 3


「確かにあまり短くすると、高い位置で結べなくなるな……」

光希が、うーんと考えながら言う。

「お前、前はこんくらいの場所で縛ってたじゃねぇか」

伊之助が握り拳を作り、首の後ろに当てる。


「そうなんだけどさ、その位置だと義勇さんとお揃いになっちゃうんだよ」
「あ、それでずっと高めに縛ってたのか」
「そうそう。あの人の髪はボッサボサだから、あんまり雰囲気的にお揃いって感じにはならないんだけどね」

確かに義勇と光希がお揃いの髪型で歩いているのは嫌だな、と善逸は思う。


「でも……、あんまり短くするなよ。髪は女の命なんだろ」

善逸がそう言うと、「え?全然」とケロリと答える光希。



「俺の命は、お前らだよ」


光希はそう言って、にこりと笑った。


それを聞いて、善逸は顔を赤くして、伊之助はホワッとした。





髪を低い位置で緩く縛り、食べ終わった食器を台所に運びながら「どうすっかなー」と首をひねる光希。


「やっぱりさ、あんまり短くしないでよ」

隣を歩く善逸が言う。


「えー……、でも邪魔だし」
「綺麗なのに勿体ない」
「髪なんてまたすぐ伸びるよ。善逸は長い方が好みなの?」
「まあ、な」
「ふぅ…ん」
「何、お前、俺の好みとか気にしてくれるの?」
「そりゃ、まあ、一応は」

善逸はその意外な反応に嬉しくなった。


「でも、切るっちゃ切るよ。願掛けしてたし。野営の時とか本当鬱陶しいんだ、これ」
「わかった」
「あんまり切らないようにする」
「いいよ、光希の好きにしろよ」
「え。でも……」
「どんな髪型になっても、俺は、……好きだから」

善逸は光希と目を合わせないようにしながら、照れくさそうにそう言った。


「ぷくくっ……」
「……おい、何笑ってんだこら」
「いや……、ごめん。なんか格好いいこと言うから」
「こんにゃろ……」
「褒めてんだよ。ふふっ、じゃあやっぱりお前くらいの長さにしようかな」
「それは駄目だ!」


あはは、と笑う光希。
「明日、アオイさんに切ってもらおう」と嬉しそうにしていた。


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