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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第17章 友が起きるまで 3


善逸たちの部屋で伊之助と一緒に三人でご飯を食べる。他愛もない話をしながら、光希は伊之助をじっと見つめる。
食事中なので猪頭を取っている伊之助。
不審に思った伊之助が聞く。


「なんだよ、じろじろ見やがって」
「ん?ああ、ごめん」
「なんだよ」
「うん……」

何かを考えている光希。


「光希?どうかしたのか」

不思議に思って、善逸も口を挟む。


「いや……伊之助くらいにしようかなって」
「「はあ?」」

男子二人がハモる。


「髪の毛」

男子二人が食べていた手を止める。
いよいよ何言ってるかわからん、といった感じだ。



「俺ね、髪伸ばして願掛けしてたんだ。伊之助と炭治郎が無事に目を覚ましますようにって。二人とも起きたから切ろっかなって思ってさ」

自分の髪を指差しながら光希が説明する。


「本当は遊郭任務の前に切ろうと思ってたんだけど、どたばたしてて切りそこねちゃって。まあ、だからあの時女髪が結えたんだけどな。で、そこから願掛けで伸ばしてたから、伸びすぎてもう無理。バッサリいきたい」


光希はまた伊之助を見る。

「伊之助は可愛い顔だから似合うだけかなー。俺には似合わないかな」

可愛い言うな!と伊之助が怒り、短すぎだ!と善逸が主張する。


「短いか?俺は善逸くらいにしてもいいと思ってるけど」
「お前、何言ってんだ。女だぞ、お前は!」
「知ってるよ。でもこれ、邪魔くさいんだよ」

髪を解く光希。くくられていた髪が、ばさりと腰近くまで降りる。

「な?」
「まあ、確かに長いな……」
「だろ」

「伊之助、ちょっと髪触らせて」
「はあ?」
「お願い!」
「別に、いいけどよ……」

ご飯を食べ終わった光希は伊之助の後ろに回る。

「ごわごわしてる」
「文句言うな」

光希が伊之助の髪を後で束ねる。


「おお。この長さでも縛れるね、一応」

高い位置で束ねてみたり、二つに分けてみたり、いろいろ試してみる光希。

その度に、前から見てる善逸は腹を抱えて笑っている。伊之助は文句をいいながらも大人しく髪を触らせてくれた。


「なるほどねー。ありがと伊之助」
「おう」


光希が離れると、伊之助はガシガシと頭を掻いた。


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