第17章 友が起きるまで 3
それから少しして、光希が起きた。
寝起きのいい光希が起きてからもぼーっとしているので、善逸は不思議に思う。
「光希、どした?」
「んー……まだ眠い…」
「珍しいな」
「そうか……?」
「熱でもあるのか?」
心配した善逸が、おでこに手をあてる。
「んー……ちょっと、熱い、かな」
「いや、違う……たぶん…」
「たぶん?」
「や、……気にしないで」
「気になるわ。どうかしたのか」
光希は、ぶつぶつと呟きながら何かを数えて、一人で納得している。
「なに?」
心配そうに善逸が顔を覗き込む。義勇なら何も言わなくても勘付いてくれるのにな、と思いながら光希が言いづらそうに答える。
「……月のもの。たぶん明日か明後日くらいから、かな」
「! そ、そうか」
「これ、眠くなるの。まあ、今回は任務の疲れもあるけどね」
「だ、大丈夫か?お腹痛い?」
「まだ大丈夫。地獄なのは初日と二日目」
「女子は大変だな……」
まあね、と笑いながら窓に向かう。
鴉を呼んで、報告をする。これで数日間は任務が入らない。
「ご飯、貰いに行こっか」
光希が笑いかける。