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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第17章 友が起きるまで 3


「へへ、さっきはごめんな炭治郎。びっくりしたんだ」
「心配かけてごめんな、光希」

「身体は大丈夫なのか?」
「ああ、まだ弱ってるけど傷は治ってるし、痛いところはないよ」
「良かった」

「……光希は?」
「俺?俺、任務行ってたんだぞ?結構しんどいやつ。もう元気だよ」
「いや、背中の傷、酷かったろ」
「ああ、大丈夫だよ」

「俺を庇ったから……」
「え?そうだったの?」

初めて聞く事実に善逸も驚く。


「ごめんな、傷も残るだろ……女の子なのに……」

しょぼんとする炭治郎。

「ちっ、覚えてたか……」
「え?」
「絶対炭治郎そうやって気にすると思ったから、その辺りの記憶飛んでたらいいのにって思ってたんだけどな」
「光希……」

「なあ、炭治郎。もし逆だったらどうした?」
「逆?」
「うん。俺が動けなくて、そこに敵の攻撃が迫ってて、炭治郎がそれにたまたま気付いたらどうする?」
「光希を、助ける」
「だろ?おんなじじゃん。な?」
「うん……」

「傷は残るだろうけど、そんなの気にすんな。どうせ自分じゃ見えないんだ」
「うん……」

「炭治郎、大丈夫だ。その傷は俺しか見ないんだから気にしなくていいよ。俺は光希の背中に傷があっても平気だ」
「お前は黙ってろ」

善逸と光希のやりとりの意味がわかって、頬を染める炭治郎。


「まあ、とにかく、大丈夫だから、気にすんな。炭治郎が生きててよかった」

にこっと笑う光希。


善逸の際どい発言で熱を帯びた炭治郎は、話題を変えようとして、光希が是非とも忘れていてほしいと願っていたもうひとつの事を口にした。


「そ、そういえば、光希は俺と同い年だったんだな」



ピクッと肩を跳ねさせる、光希。
やばいという感じに目が泳ぎだす。


本日二回目の「ちっ、覚えてたか……」を、心の中で呟く。

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