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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第3章 藤の花の家で


それからしばらく藤の花の家紋の家で四人は療養に専念していた。

四人は仲良くなり、特に光希と炭治郎は気が合うようで、善逸が気付くといつも一緒にいる。


―――別に、……いいけどよ

楽しそうに話す二人を見ると、善逸は少しもやもやする事に気が付いた。


「体力が落ちたからそろそろ走りたいんだけどなぁ。退屈だー…」
「俺も素振りしたいんだけど、肋が痛いんだ」
「まだしばらく駄目かなー…」
「そうだな。とりあえず治さないとな」
「焦るな〜」
「わかる。俺もだ」

真面目な二人が縁側で話している。

縁側で足をプラプラさせている光希は、着物ではなく、隊服の白シャツとズボンを着ている。
着物だと足が開けないから嫌だという理由で、日中はだいたいこの格好をしている。


そこへ「猪突猛進!」と走り込む伊之助。
「うおっ!」と飛び退く二人。伊之助はそのまま走り去っていった。

「……あいつ、何であんなに元気なんだ?骨まだくっついてないだろ」
「伊之助は凄いな」
「凄いっつーかなんつーか……、なんか俺も鍛錬できそうな感じがしてきた!」
「え、おい光希?」
「ちょっと追いかけてくる!」
「は?駄目だって!怪我が………」

炭治郎が止める間もなく、光希は草履を履いて庭に走り出ていってしまった。


……わんぱくか

一人残された炭治郎はそう思った。


一連の流れを全て見聞きしていた善逸も、子どもの頃から変わってないその感じに溜息をつく。


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