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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第15章 友が起きるまで


戦いから一月と少しが経った。
昨日から善逸の機能回復訓練が始まった。


「嫌だよー……やりたくないよー」

光希の部屋で、えぐえぐと愚図る善逸。


「なんでよ。善逸、機能回復訓練大好きだったじゃん。女の子に触れるから」
「……あの時はお前と付き合ってなかったから。別に、今はそんなこと思ってないぞ!これっぽっちも!」
「いや、そんなに弁解しなくても」
「だって……」
「善逸の女好きは、死ぬまで治んないよ」
「そ、そんなことない!俺は、お前一筋だ!」
「あはは。どーも」
「本当だよお!信じてくれよお!」
「ぷくく……言えば言う程嘘くさい」

光希の手を握って必死に話しかける善逸。
別に光希は嫉妬したわけでも善逸を責めたわけでもなかったのだが、勘違いした善逸が勝手に弁明を始める。


「あ!善逸さん!ここに居た!訓練行きますよ!」

アオイが部屋に入ってきた。

「ひいぃぃぃぃ!!」
「アオイさん、よろしくお願いします。関節外すくらいやっちゃってください!!」
「おいお前、怖いこと言うなああああ!!」


善逸はアオイに連れていかれた。

ふぅ、と一息つく。


……焦っちゃ駄目だ

光希は心を落ち着けていた。
自分の細くなった手足を見ると悲しくなる。もともと筋肉質でない自分は、短期間ですぐに筋力が下がる。
苦労してつけた筋肉は、すっかり消えてしまった。


光希は炭治郎と伊之助の部屋に行った。
部屋に入ると何時もの光景。


カナヲが持ってきたのだろう、花が新しくなっている。




伊之助に近付き、掛布を捲る。
包帯でぐるぐる巻きになっているが、逞しい筋肉がそこにはあった。

肩の筋肉をつつく。
力が入ってないので柔らかいが、しなやかな筋肉がついている。


「……なんで、一月以上寝てんのに落ちないんだよ。ムキムキじゃんか」

いや、落ちてはいるのだろう。だが光希とは元々の筋肉量が違うし、落ち方も違う。


炭治郎の掛布も捲る。
伊之助程ではないが、しっかり筋肉がついていて、とても十五歳のものとは思えない。

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