第15章 友が起きるまで
翌日、義勇が見舞いにきた。
ベッドの上で正座する光希。
「義勇さん!」
「………」
「顔見に来てくれたんですね!ありがとうございます」
「ああ。……ではな」
「え!ちょ、ちょっと待ってくださいよっ!」
速攻で帰ろうとする義勇を慌てて引き止める光希。
実は光希が目を覚ましてすぐ義勇は来ていたのだが、まだ身体中痛かったのでろくに喋れず、義勇も義勇で生存確認をしたらとっとと帰ってしまった。
「何だ?」
「何だって……。少しゆっくりしていってくださいよ。お急ぎですか?」
「いや」
「じゃあ座ってください」
椅子を薦めると、座ってくれた。
「俺、席外すよ。冨岡さん、失礼します」
部屋にいた善逸は逆に椅子から立ち上がり、義勇に一礼して部屋から出ていく。
「……いいのか?」
「大丈夫です」
「足くずせ。楽にしろ」
「ありがとうございます。失礼します」
軽く足をくずし、布団にもたれかかった。
「宇髄から報告を受けている。頑張ったな」
「宇髄さんから……。宇髄さんのお怪我はどうなんですか?かなり酷いですよね」
「心配するな。あいつは頑丈だ」
「良かった」
「お前がいなかったら全滅していた、と褒めていた」
「そんなことをおっしゃってたんですか?」
「ああ」
「そう、ですか」
「よく生きて帰った」
「はい。……ギリギリでした」
光希は苦笑いをする。
その表情から、力の無さを痛感しているのが感じられた。
「千代さん、元気ですか?」
「お前を心配している」
「ですよね。申し訳ないです」
「様子を伝えておく」
「お願いします。早く元気な姿を見せられるように治します」
「そうだな」
「義勇さん、炭治郎と伊之助にも会ってやってもらえますか。まだ起きないんです。廊下の突き当りの病室にいます」
「わかった」
義勇は立ち上がる。
光希は姿勢を正した。
「来ていただき、ありがとうございました」
手を付いて頭をさげる。
「また、そのうち来る」
そう言うと部屋から出ていった。