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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第12章 逢瀬


「うわっ!」と声を上げる善逸。

善逸は気付いてなかったようで、光希の作戦は大成功だった。

「ちょいとお兄さん、隙だらけですよー」
「……おい、こら」
「へへへ、私は誰でしょう」
「………俺の女」

ちょっと予想外な答えが返ってきて、心臓が跳ねる。

「……正解」

そう言って、手を離す。



「久しぶり」

そう言って、後ろから善逸を覗き込む。
少し照れくさそうに善逸も「おう」と言いながら光希の顔を見る。とその瞬間、目が見開かれた。

「な、なに?どしたの?」

善逸の反応に驚く光希。
顔を真っ赤にした善逸が、口元に手をあてて顔を背ける。

「や、いや、……別に、」
「なに?」

善逸の隣に光希が座る。
光希に問いかけられて、善逸が再び光希に目線だけ向ける。

「いや、その…化粧したところ初めて見たから……か、可愛いなって思って……」

口籠る善逸に、今度は光希も顔を赤くする。
まごうこと無きバカップルである。

「そりゃ、どうも……」
「俺のために、頑張ってくれたの?」
「うん、一応…大したことは出来ないけど……」
「へへ、嬉しいな」

善逸が顔を赤くして笑うから、化粧してよかったと思った。

「店、入ろっか」

善逸が立ち上がり、光希に手を出す。

「うん」

その手を取り、二人は手を繋いで店に入る。


善逸はよくわからないみたいだったので、光希が善逸の好きそうなものを頼む。

「光希、詳しいな」
「恋柱の甘露寺さんとたまに来るの。優しい人でね。仲良くしてもらってるんだ」
「凄いな光希。柱と交流あるのか」
「まあね…あ、聞いて!あのね……」

光希は義勇から一本取ったことを話した。他にもいろいろ任務のこととかを話す。
善逸は表情豊かに聞いてくれた。光希が望んでいた反応を見せてくれる善逸に、安心感と愛しさが増していく。

「あ、ごめん……私ばっかり話して……」
「はは、いいって。気にすんなよ今更だろ」
「確かにね」


そこへ注文したものが運ばれてくる。

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