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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第80章 輝く未来


更に翌週になった。
まだ光希は目覚めない。

未熟児気味で産まれた善治だったが、こちらは順調に体重を増やして成長している。


今日も善逸の手伝いに来てくれている炭治郎たち。

「………ぷっ」
「お兄ちゃん、笑っちゃ駄目よ。ぷくく……」
「禰豆子こそ笑ってるじゃないか」

竈門兄妹は、善治を見て笑う。

「なんだよもう、二人して!……母さんが作ってくれたの!」

善治は黄色地に白三角の鱗模様の着物を着ていた。見覚えがありすぎるその格好に、二人は笑いを隠せない。

「まるっきり小さい善逸だ」
「可愛さが止まらないわ」

千代は善治の着物を沢山作って持ってきてくれた。

「ちなみに、こんなのもあるぞ」

善逸がピラリと手に取って見せた着物は、緑色の市松模様。

「ははは、千代さん面白がってるな」
「絶対にな」
「善治ちゃんが生まれて嬉しいのね」
「うん。そうみたい」

三人で笑う。

「今度この緑のやつ炭佑に着せてさ、善治と並べてみようぜ」
「あはは、いいな。薄紫色の着物はないのか?」
「あるって。でもそれは、光希が起きたら渡すってさ」
「……そうか。それを善治が着るのが楽しみだ」
「そうだな」

光希の栄養点滴の量はどんどん増えている。母乳で吸い取られている分を補っているのだ。
しかし、善治が母乳を飲むことで子宮が収縮し、出血量は減ってきており、回復の兆しも見えている。


体の回復が先か、体力が尽きるのが先か……


周りで見守る人間は、ただひたすら祈っている―――


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