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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第80章 輝く未来


翌週、善逸が助けを求めたこともあって、朝からあかりを連れて炭治郎がお見舞いに来てくれた。
個室とはいえ大人数でわいわいというのは出来ないため、手伝いに来たのは炭治郎と禰豆子だけだ。騒がしい伊之助は、炭佑、カナヲと共に蝶屋敷に行っている。

授乳時は炭治郎は部屋の外に出ているが、禰豆子に手伝ってもらうと格段に楽だった。炭治郎も子守りは得意なので、二人に助けられてほっとした善逸は途中死んだように眠り、あかりは「お父しゃん、うごかなくなった!」と泣いた。


「本当に善逸に似てるな」
「お前と炭佑もそっくりだろ」
「ははは、お嫁さんの遺伝子が入らないのかな、俺たちの息子には」
「嫁、どっちも美人なのにな」
「残念だな、ははは」

善逸と炭治郎は、布団の上に並んで座る。
炭治郎は片手で器用に善治を抱いている。
あかりは禰豆子と一緒に散歩に行った。

「あかりのこと、ありがとうな」
「気にしないでくれ。炭佑と遊んでくれて、助かってるよ」
「お利口にしてるか?泣いてないか?」
「好き嫌いして俺に怒られて泣いた」
「あはは。人参?ほうれん草?」
「どっちもだ。そしたらさ、次の日に“人参を一つ食べるごとに金平糖を一つくれ”と交換条件をだしてきたよ。自分ばっかり頑張りを強要されるのは嫌なんだって」
「………まじかよ」
「本当にあの子はみっつなのか。ぎょっとするほど賢いぞ」
「ははは、……下手すると、光希より賢くなるかもな。あいつ、面白がってあかりにいろいろ策略を教えていたからな」

善逸と炭治郎は眠っている光希を見る。

「……光希、頑張ったんだな」
「うん。まだ頑張ってる」
「そうだな」
「もっと頑張ってもらわねぇと」
「うん。善治も元気になったお母さんに抱っこしてもらいたいよな」
「あー、でもあんまりベタベタくっついたら俺、ヤキモチやくかも。だってこいつ、光希のおっぱい飲んでんだぞ。贅沢な。光希のおっぱいは俺のおっぱいだったのにさ」
「いや……善逸、そこは譲ってやらないと。なあ善治」

男二人はクスクスと笑う。
炭治郎の腕の中で、炭治郎が持ってきた布のおもちゃをしゃぶる善治。

「可愛いな」
「うん。……泣き声が恐竜じゃなきゃな」

少し心にゆとりが生まれた善逸。
炭治郎と禰豆子に感謝をした。

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