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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第78章 【続編】幸せの続き


「女の子だったら『善子』か?」
「そうだね、そうしよう」
「おいおい、まじか」
「あはは」
「いやもうすっげぇ不細工の予感がするぜ」
「ぷくく、善子ちゃん可愛かったよ?」
「嘘付け!爆笑してただろが!」

光希と善逸は、幸せを感じながら我が子への贈り物を準備していく。


悩みに悩んで二人が決めたのは、男だったら『善治(よしはる)』。善逸と炭治郎から一文字ずつ取って付けることにした。

「炭治郎に一言言っとかねえと」
「そうね」

女だったら『ゆかり』。姉であるあかりと並べてバランスのいい名前にした。漢字表記は『縁』。ちなみにあかりの漢字表記は『灯』である。


「我妻善治、我妻ゆかり。……うん、どっちになっても俺は満足だ」
「私も」

肩を寄せ合いながら二人は笑う。
座り続けていた光希が辛くなってきた足を伸ばして息を吐く。

「ん?しんどい?横になるか?」
「そうね、少し疲れた」
「布団敷くよ」
「ありがと」

善逸が畳まれていた布団を広げる。いつでも寝られるように側に置いてある。

光希が布団に横たわると、にこにこしながら善逸も入り込んできた。

「え?」
「うふふ。お布団冷えてるでしょ。俺が温めてあげる」
「冷え症がよく言うよ」
「まあまあ、そう言うなって」

善逸は布団の中で光希のお腹が苦しくないように抱きしめる。
光希も嬉しそうに善逸の胸に頬を寄せた。

「ねえ、光希……」
「……ん?」
「…………居なくならないでね」
「なに、どうしたの」

善逸は光希を抱きしめる手に少し力を込めた。

「俺を置いて、行かないで」

想いがぐっとこみ上げてきて、涙声になる。

「一人にしないで。お願い」
「善逸さんはもう一人じゃないでしょ」
「俺、お前がいないと全然駄目なんだよ」
「そんなことないよ」

光希は善逸の背中に手を回し、いつものように優しく擦ってやる。

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