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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第78章 【続編】幸せの続き


「よお、久しぶりだなァ」

あかりを抱っこした不死川が部屋に入ってくる。

「……そうでもないですよ。この前会ったばかりですよね」

善逸はやや不機嫌そうに答える。
あかりが不死川の首元に抱き付いているからだ。

「こらこら善逸さん、そう睨まないの」

義勇と共に不死川の出迎えに出ていた光希が、苦笑いを浮かべて部屋に入ってくる。

「また拗ねているのか。あかりが不死川にくっつくのは毎回のことだろう。慣れろ」
「慣れるとかそういうことじゃないんですよ!」
「なら諦めろ」
「諦めません!……あかり、父さんのお膝においで」
「いや」
「即答っ?!!!」

善逸が泣き崩れ、皆が笑う。
不死川はあかりを膝に乗せたまま、彼女に紙袋を渡す。

「え?」
「誕生日おめでとう、あかり」
「あかりに?」
「ああ」
「ありがとう!」

あかりは不死川から袋を受け取ると、善逸と光希の所に走ってきた。人から物を貰ったときはまず二人のところに見せに来ることになっている。

「もらった!」
「よかったね、あかり。開けてみたら?」
「いいの?」
「いいぞ。あかりがもらったんだから。自分で開けてごらん」
「うん」

あかりが袋をひっくり返すと、細かい柄が散りばめられた色とりどりの綺麗な千代紙がバサリと滑り出てきた。

「うわぁー!きれい!!すごい!!」

あかりは目をキラキラと輝かせる。
床に散らばった千代紙をかき集めて胸に抱きしめた。

「しゃねみしゃん!ありがとう!」
「おう」
「おりがみ、やろ!」
「ああ、いいぜェ」
「うしゃぎしゃん!」
「うさぎな、わかった」

不死川を机に誘い、折り紙遊びをねだる。そんな様子を光希と義勇は嬉しそうに、善逸はやや寂しそうに見つめた。

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