第78章 【続編】幸せの続き
妊娠5ヶ月が過ぎると、光希のつわりもだいぶ落ち着いてきた。
戌の日詣で安産を祈願し、腹帯を巻く。
流産率の高い時期は過ぎたが、ここから大きくなる胎児に光希の子宮が耐えられるのか。
善逸は不安でならない。
しかし光希は仕事をバリバリと再開させた。止めたって聞かない。
善逸は今日もあかりを義勇に預け、仕事終わりの光希の迎えに来た。
「こんばんは」
「あ、我妻。お疲れさん」
「竹内さん。あれ、光希はまだ仕事?」
「ああ。質問受けて生徒と話ししてるよ」
「そっか。待たせてもらっていいですか?」
「ああ。光希に声かけようか?」
「いいです。待ちますから」
善逸は事務室にあがって待つ。
いつものことなので慣れている。
……最近いつも残業だな
小さくため息をつく。
仕事熱心なのはわかってる。子どもたちからの質問に丁寧に対応したいという彼女の気持ちもわかる。
……無理してないといいけど
少し待っていると、二階から光希と少女が降りてきた。
「先生さようなら。ありがとうございました」
「はい、さようなら。また明日ね。気をつけて帰るんだよ」
「はい」
少女は晴れやかな顔をしていた。
光希は帰っていく少女を見送ると、事務室に顔を出した。