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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第78章 【続編】幸せの続き


「男かなー、女かなー」

善逸が光希のお腹を見ながらにこにこと話す。

「男だよ」
「え?なんでわかるの?」
「なんとなく」
「お前の勘はあたるからなー……そっかー、男かぁー」
「あはは、めちゃめちゃ残念そう」
「そんなことねえけど」
「顔に出てるよ」
「そう?」

「あかり。あかりは弟と妹、どっちがいい?」
「おとうと!」
「へぇ、なんで?」
「すみちゃんかわいいから!」

炭治郎の息子の炭佑(すみすけ)は、あかりの大のお気に入りだ。

「なるほど、炭佑ね。あ、この子、ぎりぎり炭佑と同級生になるのかな?学校は卯月が始まりだから」
「そっか。おい、炭佑に負けんなよ」
「無茶言わないでよ、炭佑とこの子、月齢差がすごいんだから。皐月生まれと、年またいだ如月生まれだよ?」
「……たった九ヶ月だろ」
「小さい頃は少しの差でとんでもなく変わるよ。私も炭治郎に全く勝てなかったもん。五ヶ月差だけど」
「お、師走生まれを認めましたね」
「あ」
「ははは」

善逸は笑いながら光希を見る。

「まあ男なら、気は楽だ」
「そう?」
「うん。女の子だといろいろ心配だけど、男なら勝手に育つだろ」
「いやいや」
「勝てなくても、悔しくても、泣きながら頑張ればいい。きっとそのうち出来るようになるし、頑張ったら必ずむくわれる。俺がそうだったから」
「……そうだね」

善逸は光希の肩をしっかりと抱く。
空いてる方の手を光希の腹に添えて、可愛い童謡を歌ってやる。いつもあかりと歌っている歌なので、遊ぶ手を止めないままに、あかりも楽しそうに一緒に歌う。
二人が歌う『赤い鳥、小鳥』や『七つの子』を、光希は目を閉じて聴く。


……幸せだなぁ
ねえ、赤ちゃん
聴こえる?
お父さんとお姉ちゃんが歌ってくれてるよ

会いたいね
会えるよね
皆、あなたを待ってるよ………


まだ胎動もわからないけれど、お腹の中で赤子が喜んでいる気がした。

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