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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第78章 【続編】幸せの続き


善逸はあかりを背負って帰宅する。
帰り道で買い物をして家に着くと、光希は自分の部屋で寝ていた。

残暑厳しい九月なので、薄手の掛け布団は足元に溜まっているだけだ。相変わらず丸まって眠る光希の手は、少し膨らみを帯びてきた腹に添えられていた。
善逸たちが帰ってきても全く起きない光希。相当弱っていることがわかる。

その姿に、思わずそっと呼吸を確かめてしまう。死んでいるのではと、ひやりとしたからだ。


「お母しゃん、ねんねしてる」
「うん。起こさないように静かにしてような」
「はい」

善逸はあかりを連れて台所へ行く。

台所の隅に積み木を出してあかりを遊ばせ、自分は少し遅めの昼ご飯を作る。自分とあかりの分。それから光希用のお粥。


「お父しゃん、みてぇ!」

あかりの声がかかるとちゃんと料理の手を止め、あかりに向き合ってやる善逸。

「おお、凄いな。何作ったんだ?」
「おしろ!」
「城かぁ。ここが入り口?」
「うん」
「門を赤で作ったのか、かっこいいな!」

あかりが満足そうに笑うと善逸はまた料理に戻る。あかりはまた遊び始める。


そこへ光希が起きてきた。

「ありがとう、善逸さん」
「光希!まだ寝てて」
「ん。大丈夫」

「お母しゃん、おしろ」
「へえ、お城、上手に出来たね。絵本に出てきたお城かな」
「そう!あのね、まるいの、のった」
「わあ、凄い。よく考えたね」

周りを長方形の積み木で囲み、その真ん中に丸い積み木を入れたあかり。転がり落ちない方法をもう考えることが出来ている。
特に何かを教えているわけではないのに、どんどん創造レベルが上がっていくあかり。恐ろしい程だ。


光希があかりの相手をしているうちに、善逸の料理が出来た。

「あかり、光希、ご飯だよ」
「ありがと」
「はい」

あかりはすぐに積み木を片付け始める。
お城は残したまま、使ってない積み木をぽいぽいと箱に入れていく。

「お片付け、偉いね」
「……お父しゃん、めってする」

あかりは片付けながら少しむくれる。
先日、片付けなかった積み木を踏んづけて悲鳴を上げた善逸に、しこたま怒られたあかり。
「片付けないならもう買わないよ!」と言われて泣いた。

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