とある図書館の司書さんのお話!【文豪とアルケミスト/文アル】
第2章 初めての出勤
「おーい、いつまでそこに突っ立ってるんだ?」
「ビクッ」
恐る恐る振り向いて声のした方に目を向ける。すると、まぁダンディーな方が立っていた。
「すまん、驚かせてしまったか?俺は帝國図書館の館長だ。今日ここに特務司書が来ると聞いて駆けつけたんだ。」
と、その…館長さんでいいや。…館長さんがはにかみながらそう言った。
「いえ、わざわざお足を運んでくださりありがとうございます。」
「いや、大丈夫だ。ここは帝國図書館の次くらいの規模でな。礼儀正しそうな子が来て安心したよ。さて、そろそろ入るか」
と、あぁ…なんて呼べばいいか聞き忘れた…館長さんが中を親指でくいっと指しながら入っていった。
私も館長さんに続いて入ったら、驚愕の事実を発見した。
「え゛」
おもわず親しい間柄の人にも滅多に話さないであろう声が出てしまった。
「びっくりするだろ?帝國図書館の次くらいの規模と入っても長年管理がされていなくてだな…」
と遠い目でおっしゃった。そう、この図書館、ものすごく、汚いのだ。廃墟同然だろこれ…
とその前に一番確認しておきたいところが!!
「すみません…本は無事ですか?」
「本は修復中だ。うちの司書が奥で頑張ってくれている。」
(無事じゃなかったのか…)