第10章 未来への布石
サ「はっ!
まさか恋歌ちゃんの旦那に無理矢理…」
サッチが変な想像を膨らまして真っ青になる。
『サッチさんご心配はありがたいですが、私に旦那はいないですよ
その子とも血は繋がってなくて…』
マ「じゃあ何で息子なんだよい?」
その言葉に恋歌はにっこり笑って言う。
『親子って血の繋がりがないとなれませんか?』
恋歌の言葉と笑顔にマルコとサッチは固まった。
『確かに私とその子は他人でした
でも私がその子を息子にしたいと思い、その子が私を"母"と呼んでくれました
それだけで私は十分に"家族"であると、そう思います』
そこまで言って今まで三人のやり取りを黙って見ていた白ひげがあの独特の笑い声を出した。
白「グララララ!!
確かに家族になるのに血なんざ関係ねぇ
俺の船だってそうさ
息子どもが俺を親父と呼び、俺はこいつらを息子と呼ぶ
それだけでこの船に乗ってるやつらは皆家族だ
そうだろ?マルコ、サッチ」
マ「ああ、その通りだよい」
サ「俺たちは皆家族さ!!」
その三人には確かに家族という絆があるように見えた。
他のクルーたちとも同じ絆があるのだろう。
『だから私はこの海賊団を最初のお客様にしたんですよ
私と同じ家族という絆のもとに動けるあなたたちの力になりたくて』
サ「じゃあ恋歌ちゃんはその子のためにこの商売を?」
『はい、息子の夢を見届けるために』
マ「その夢ってぇのは何なんだよい?」
恋歌は口に人指し指をあてて微笑みながら言う。
『それは内緒です』
その微笑みにマルコとサッチは顔を赤くした。
サ「恋歌ちゃん!!
子どもいてもいいから俺とっ…ぶっ!?」
マ「もうそのネタはいいよい…」
またサッチはマルコに蹴飛ばされていた。
白「グララララ
今日は愉快な気分だ
宴を開きてぇところだが生憎主役が面隠さねぇといけねぇんなら開けねぇか」
『そのお気持ちだけで十分です
そうだ追加でこの珠も渡しておきますね』