第10章 未来への布石
5分ほどしてマルコが帰ってきた。
その待っている間の5分は他の名もわからないクルーたちに殺気を向けられていたが、特に何とも思わなかった。
マ「親父が会うそうだ
こっち着いてこい」
『ありがとうございます』
恋歌は待っている間手摺に座っていたため、そこから降りてマルコの後を追いかける。
このときまだダークブーツとクラウンクラウンはまだ発動したままなので、白い膝上のワンピースの上に白いマントと銀の仮面、赤い膝まであるブーツを履いているという格好だった。
もちろん顔は見せていないし、肩まである金髪も見えていないだろう。
マ「ここだよい」
そう言われて見上げた視線は大きな扉に向いた。
まぁあの巨体が入るためにはこのぐらい大きな扉でないとダメなのだろう。
マルコはその大きな扉をノックした。
マ「親父、連れてきたよい」
「入れ」
中から落ち着いた男の声が聞こえてきた。
マルコが扉を開けて先に入る。
そのまま扉を押さえて開けておいてくれたので礼を言いながら中に入る。
中には原作と違い、チューブに繋がれていない白ひげの姿があった。
特長的な髭に大きな体。
そして片手に持っている酒を思いっきり飲んで恋歌の方をみた。
白「お前か、俺に会いてぇって女は」
『はい、急に申し訳ありません
お初にお目にかかります
今回は白ひげ殿と取引をしにまいりました』
その言葉に白ひげの眉が片方上がる。
白「俺と取引だと?」
『商売の話ですね
私はお客を選んで商売をさせていただこうと思っていますので
まずは白ひげ殿にお会いしに』
白「ということはこの商売とやらは始めたばっかか?」
『今日から始めました』
白「グララララ
そりゃいい!
俺が始めての客になるってことか!
そんで取引ってぇのは何なんだ?」
マ「親父!!」
白「まぁ話を聞くぐらいいいじゃねぇか
女ぁ、話を聞かせてもらおうか」
白ひげに目を見つめられれば嘘など絶対につけないような感覚になる。
恋歌は見えない仮面の下で笑う。
『私は…』