第8章 誕生日
『このペンダントはお守りだから持ち主であるエースを守ってくれるように作ってあるの
たとえばこのペンダントはエースが自分で外そうと思わない限り外れない
外すことは作った私でもできない
それとエース以外は作った私とエースが触らせてもいいって思った人にしか触ることはできない』
エ「触られるとどうなるんだ?」
『ペンダントに拒絶されて弾かれる
軽い火傷程度なら負わせられるかもね』
軽く言われたがペンダントにそこまで仕掛けがしてあればちょっと怖いと思うエース。
『あとはそのペンダントをしているときに私を心の底から呼べば私に届くようになっているの
どうしても助けてほしいとき、大切なものを守りたいとき、自分が何かしらの状況で動けないときは私を呼ぶといいわ
どんなに遠く離れていてもすぐに助けに行く』
エースはなんともすごいものを貰ってしまったものだと思っていた。
エ「ほんとに呼んだら母ちゃん来てくれんのか?」
『うん、約束は守るよ
それで呼ばれればどこにエースがいるのかわかるから
持っていてくれる?』
エ「おうっ!
ありがとな母ちゃん!
付けてくれ」
そう言ってペンダントを渡されてエースは恋歌に背を向ける。
恋歌はエースの首に自分が送ったペンダントを付けてやる。
今のエースに鎖の長さはぴったりだった。
『そうそうこのペンダント、エースの成長に合わせて鎖も伸びていくから』
エ「ほんと母ちゃんって何物なんだよ…」
そう呟いたエースに恋歌は微笑みしか返さなかった。
『エース、生まれてきてくれてありがとう』
エースは一瞬間の抜けたような顔をしたが泣きそうになりながらも
エ「…ああ」
と小さく呟いた。