第7章 夢主の力
エ「母ちゃんは、さ…
それだけ不思議な力持っててその…
変なこと言われたりしねぇの?」
『(ああ…
なるほどね)
たとえば…"化物"とか?』
その言葉にぴくりと反応するエース。
『まぁ今のところこの力のことを知っているのはエースだけだから言われたのは昨日がはじめて
でも私はたとえなんと言われようと気にするつもりはないよ』
エ「何で?」
『人に対して"化物"って言う言葉を使うのは使った人に力がないから
エースは"悪魔の実"を食べてすごい力を手に入れてその力を使ってる人のことをすごいって思うよね?』
エ「うん」
『私のようにこうやってエースと遊ぶために力を使うのは別にいい
それでも力を持った人っていうのはそれを使いたがる
それが人の命に関わることでも
実際海賊なんかで実を食べた人は使い方を間違って人を殺してしまう人もいる
私のこの力も使いようによっては人の命を奪うことができる
それはエースもわかるよね?』
エ「うん…」
『私は人を殺したことはない
でもこれから先何があるかわからない
つまり私もこの力で人を殺してしまうかもしれないってこと
力はその人のものだからどう使うのも自由
その力がお互いに備わっていて張り合える人は相手のことを化物なんて呼ばない
呼べば自分のことも化物であると言っているようなものだから
つまりは力のない人が力のある人に向かって言う言葉なの
昨日の人たちは私のような力なんか持ってはいなかった
だから不思議な力が使える私のことを化物と言った
もしあの人たちに私のような力があればそんなこと言わないからね』
エ「でも化物なんて言われて平気なのか?」
『この力のことを化物扱いされたのだったら別にいいよ
この力は守るために使うと決めているから
その力を化物扱いされたってことは少なくともあの人たちからは守れるってことだから』
そう言って笑えばエースも少し納得してくれた。
昨日男たちに化物と言われて気にしてるんじゃないかと心配してくれているのは分かっていた。
自分も"鬼の子"と呼ばれ嫌な思いをしているから。
『ありがとうねエース』
そう言って頭を撫でてやれば照れくさそうにわらってくれた。