第2章 異世界へ
『母親代わり?』
神「そう、母親代わりだ
その三人は母親の愛情を知らずに育つ
母親の愛情を知らずに育つ子どもなど俺の世界にはごまんといる
だがあいつらはお前たちの世界でとても愛されている
だから俺があいつらを愛してくれる人間を連れてこようと考えた
しかしだ、生半可な気持ちではあの世界は生き残ることができない
そこで俺は暫くお前の世界を観察していた
その中でお前が一番適任だと俺の直感が告げたんだ、恋歌」
『直感?
そんなもの信じてもいいの?』
神「神の直感を信じずなにを信じろと?
まぁお前は俺が選んだ人間だ
あちらの世界でも充分生きていけるだろう
出来る限りのサポートはするつもりでいるしな
他に質問は?」
『私はまた元の世界に戻れるの?』
神「いや…一度向こうの世界に行ってしまえば戻ってくることは不可能だ
人間を異世界に飛ばす力は500年で一人分の力が溜まる
人間の寿命では到底不可能な年数だからな…
だからお前がこちらに来てくれると言うのであれば、望めばお前の世界の人間の記憶からお前のことを全て消してやる
本当は有無を言わさず連れていこうかと思っていたんだが何故かお前には記憶が残っているみたいだしな」
『そう…
なら私は貴方の世界に行くしかないって事だね』
その言葉に神様は焦ったように話し出した。
神「えっ、そんな簡単に決めていいのか!?
もう戻ってこれないんだぞ!?
お前の家族から記憶も思い出も…お前のことは全て消えるんだ…?」
そこまで言って恋歌がくすくすと笑っているのがわかった。
しかも爆笑したいのを押さえているのがわかるぐらい肩が揺れている。
神「なにか…面白いところあったか?」