第7章 夢主の力
『うーん、何がいいかなぁ…』
なんの力をエースに見せるか迷う恋歌。
『では空のお散歩でも行きますか』
そう言うと背中から純白の翼を出した。
羽が辺りに散らばっゆっくりて舞い降りてくる。
不思議なことに地面に当たると羽は消えてしまう。
エ「すっげ…」
エースはその光景にそれだけしか呟けなかった。
恋歌はエースを抱き上げて、翼を羽ばたかせる。
二、三度羽ばたくと恋歌の足が地面から離れた。
そのまま高く上昇する。
リナリーのダークブーツよりはスピードが劣るためゆっくり飛ぶことができる。
この翼はダークブーツほど急いでいないときなどに使用しようと思っている。
慣れるまではスピードの調整が難しそうなのだ。
『どう?
昨日より速くはないけど散歩ならこのぐらいで十分でしょ?』
エ「う、うん
羽生えるなんて母ちゃんなんかの能力者なのか?」
そういえばこの世界には"悪魔の実"という不思議な実があるんだった。
『ううん、私は能力者じゃないよ
海に入っても平気だし、特に何かで力が出なくなるっていうことはないよ』
エ「じゃあ何でこんな力使えるんだ?」
『そうね、エースがもうちょっと大きくなってからね』
意味深な笑みにエースはそれ以上聞くことはできなかった。
暫く空を散歩したあと、最初の場所に戻ってきた。
『楽しかった?』
エ「うん!次は次は?」
きらきらした目をしながらエースは恋歌を見る。
ちょっとエースを驚かせてみようと恋歌は思った。
エースを近くにあった手頃な石に座らせてこっちを見ているように言った。
座らされたエースは?を浮かべている。
『さてエース
私は向こうまで歩いていきたいと思います』
そう言って恋歌が指を指した先は崖。
歩いていけば間違いなく落ちる。
端まで行くということだろうか。
考えていたエースだがもう恋歌は崖に向かって歩き出していた。
もう少しで崖の端に着くというのに恋歌は止まる気配はない。
そして片方の足が崖の外にでた。
エ「あ、危ねぇ!」
エースは間に合わないとわかっていても走り出さずにはいられなかった。