第17章 帰還
『なに?』
エ「ルフィにはまだ早いと思ってな」
『?………!?』
笑顔のエースにいきなり腰を引き寄せられ空いた手で顎を掴まれてキスされる。
すぐにエースは離れたが満足そうな顔をしている。
サボは驚きで目が飛び出ている。
サ「なにしてんだ!!」
エ「いや、しばらく会えなくなるからな」
全く詫びる様子のないエースにサボは肩を落とした。
サ「お前だけにやらせてたまるか」
サボは放心状態の恋歌の腕を引っ張って恋歌の頬に手を添えてキスをした。
サ「これでおあいこだな」
にっ、と笑ったサボに更に顔を赤くする恋歌。
エ「お前もなにしてんだよ!」
サ「先にやったエースに言われたくないな!」
『ふ、二人とも…///
なにを…///』
やっと言葉の出せた恋歌は恥ずかしさで朦朧とする意識の中必死に意識を保つ。
エ「この島では会うことはないからな
お別れの挨拶だな」
サ「じゃあな、ルフィを強くしてやってくれよ」
今度こそロープを外した二人はどんどん島から離れていく。
エ「ルフィもういいぞ!!」
律儀にエースに言われたことを守って今まで目を閉じていたルフィは許しをもらえて目を開ける。
ル「?母ちゃん顔赤けぇぞ?」
『な、なんでもない…///
ほら二人とも行っちゃうよ?』
ル「そうだな」
ルフィは二人に向かって大きく手を振った。
エ「待ってろ!すぐに名を上げてやる!」
そう大声で言ったエースはサボを目を合わせると声を合わせて叫んだ。
「「恋歌!!ルフィ!!またな!」」
『名前…!!』
サボは家族になったきり呼ばれていなかったし、エースには一度も呼ばれたことのない名前を呼ばれた。
横にいるルフィは気にすることなく船が見えなくなるまで手を振っていた。