第4章 初日終了
恋歌は自分の髪とエースの髪を乾かすためにドライヤーを出してきた。
また自分の膝の上にエースを抱き上げて髪にドライヤーをかけてやる。
気持ちいいのか目を閉じながら大人しくしているエースを見て恋歌は"可愛いなぁ"とずっと思っていた。
『はいっ
乾いたよ
私の髪も乾かすからエースは先に寝てていいよ』
エ「どこで寝たらいいんだ?」
『え?
普通にベッドで』
エ「じゃああんたはどこで寝るんだよ」
『そのベッド』
エ「一緒に寝るのか!?」
『えっ、嫌?』
エ「嫌じゃないけど…」
恋歌はゴニョゴニョと口ごもるエースに意地の悪い笑みを浮かべる。
『実はエースに拒否権はないんだよ?』
エ「え、何で?」
『夕方何でも1つ言うこと聞いてくれるって言ってくれたじゃない
内容は夜まで秘密ってね』
エ「まさか、その言うことって…」
『そ、今日から一緒に私と寝ること』
そう言って楽しそうに笑う恋歌に何にも返せなかったエースがいた。
結局恋歌の髪を乾かすのを待っていてくれたエースと一緒に寝室に入る。
『はい
エースは壁側ね』
エ「何で?」
『いいからいいから』
そう促されてエースが先に布団に入り壁側に寄りながら寝転がった。
『そんなにつめてくれなくても大丈夫だよ
こうやって寝るからね』
エ「ちょっ…」
恋歌はエースを抱き寄せて自分の腕の中に閉じ込めた。
『エースはお日様の匂いがするね
落ち着く匂いがする』
さっき一緒に風呂に入ったのに違う匂いがするのか?とエースは思ったが恋歌が幸せそうなので敢えて言わないでおくことにした。
換わりに
エ「あんたも…いい匂いがする…」
と言って眠りについた。
その言葉がどれだけ恋歌を喜ばせているかも知らずに。