第17章 帰還
『で、でもいざとなったら逃げれるし足はこっちの方が動きやすいというか…』
エ「確かに母ちゃんは強い
敵うやつなんかそうはいないだろうな
でもな俺たちより強いやつはごまんといるんだ」
『どういうこと?』
エ「もし、俺たちが人質にでも捕られて母ちゃんに迫ってきたらどうする?」
『それは…』
エ「母ちゃん一人なら逃げれても俺たちが関わってたら簡単に逃げれないだろ?
もしくは…」
エースは恋歌の腰を引きながら肩を押してソファーに押し倒し、そのまま恋歌に体重をかけないように跨がる。
顔を近づけて耳元でエースが囁くように言う。
エ「俺たちの誰かがこういうことするかもな?」
『…っ!?//エース!?///』
エ「ひとつ母ちゃんに謝らなきゃいけないことがある」
エースが恋歌の手を自分の手と絡めて握る。
『な、何?///』
エ「母ちゃんが俺たち三人を息子として愛してくれてんのは知ってる
それはすげー嬉しい
でも俺はそれに答えられなくなった」
『え?』
エ「俺は…母ちゃんを家族としてじゃなく、一人の女として愛してるから」
恋歌#の耳元から顔を上げて恋歌#のまっすぐ見つめる。