第14章 家族
ダ「な!?
あんた…!!」
ちょうどいいタイミングで森から出てきたのは昨日はなかった刀を背負った恋歌だった。
その手にはまた大漁の魚がある。
『ちょっと早く来すぎちゃって皆さんが朝食に食べるものでもと思いまして』
エースが恋歌の姿を見ると駆け寄ってくる。
エ「母ちゃんおはよ
一体何時から来てたんだ?こんなにたくさん捕ってくるなんて…」
『あ、エースおはよ
来たのは一時間ぐらい前かな?
やっぱり多いかな?』
ダ「い、一時間だって!?
そんな短時間でこれだけの物を…」
獣の量と時間の短さに計算があわないダダンは驚いている。
唯一平然としているのはエースだけである。
エ「まぁここのやつらはたくさん食べるからこんぐらいあってもいいと思うぜ?」
『そっか!
ならよかった』
周りは当たり前のようにされる二人の会話についていけない。
「いやいやいや、おかしいでしょ!?」
いち早く我に返った一人が突っ込む。
『なにがですか?』
ダ「あんたどうやってそんなに…」
『言いましたよね?
私エースには負けないって』
そうして不敵に笑う恋歌に男たちは顔を赤くし、ダダンは
ダ「嘘だろ…」
と、遠くを見て放心していた。
その日の朝食は恋歌のお陰で豪勢だった。
ちなみに料理したのも恋歌である。
『これはお世話になる挨拶だと思ってください
毎日こういうのでよろしければ言っていただければ捕ってきますので』
ダダンにこう言えばまだダダンは放心状態だったため
ダ「ああ…」
としか返せなかった。
エ「母ちゃん…
ちょっと楽しんでるだろ」
エースが少し呆れながら言ってきた。
『さぁ?
どうかな?』
エ「まぁ俺はいいけどね」
『人の驚いてる顔って面白いから』
エ「確信犯ってことか…」
そのあとは恋歌は何も言わなかった。