第3章 2人での生活の最初
恋歌はその小さな体を腕の中に閉じ込める。
戸惑っているのが雰囲気から伝わってくる。
だが恋歌は心臓の音を聞かせるように頭を抱く。
『例え今まであなたが何を他の大人に言われてようと、あなたのことを要らないなんてこと私は絶対に言わない
私にはあなたが必要なんだよ
それとも私と一緒には住みたくない?』
エースは首を横に思いっきり振った。
『私は絶対にあなたを裏切らない
これは何があろうと変わることはないよ
他の人に何を言われようと、どんな噂が流れようともあなたの言葉を、あなたの意見を私は聞く
どんなことがあろうと私はあなたの味方』
今までただ抱き締められていただけのエースが恐る恐る恋歌の背中の服をきゅっと掴んだ。
『私と家族になってくれる?』
その問いに応えるようにエースは小さく頷いた。
それを了承の行動に恋歌は微笑んだ。
『これからよろしくね、エース』
十分ほど二人で抱き合っていたが、エースが腕の力を緩めたので恋歌も腕の力を抜いて離してやった。
それと同時にエースのお腹が鳴る。
その音にエースは恥ずかしそうに顔を赤くして、恋歌は微笑んだ。
『何か食べようか?』
そう聞くとエースは頷いた。