第12章 未来の海賊王との出会い
『腕…』
シ「ん?」
『腕…痛くないんですか?』
シ「まぁ痛くねぇって言ったら嘘になるな」
『ごめんなさい…』
シ「なんで恋歌が謝るんだよ」
『私がすぐにルフィを抱えて逃げればよかったんです!
あんなところでぐずぐずしてたからシャンクスさんの腕が…』
また溢れてきた涙をシャンクスが右手の親指で拭ってくれる。
左腕の方が近いのに…。
シ「言ったろ?
恋歌とルフィが守れたんなら安いもんだって
それにこれは俺が弱かったからこうなったんだ
恋歌が気にすることない」
『私なら!ほっておいてくれても構わなかった!
ルフィは絶対に傷つけないし私も死なない!
あんな海王類ぐらい倒せました!
なのになんで…』
自分がめちゃくちゃなことを言っている自覚はある。
だけど言わずにはいられない。
シ「恋歌が強いってことぐらい知ってる
俺よりも強い
だけど俺としては惚れた女に守られてばっかじゃかっこつかないわけだ」
シャンクスは未だに泣いている恋歌を自分の方に引き寄せて顔を胸に押し付けた。
『シャンクスさん?』
シ「お前がルフィを守ろうとしてくれたように俺も恋歌を守りたい
それに酒屋で言ってくれたよな
俺も恋歌の大事な人だって
だから俺は俺を大事に思ってくれるやつは命に変えても守る
恋歌だってそうだろ?」
『はい…』
シ「俺たちは似た者通しだ
もう自分を責めるなよ?」
『はい…』
シ「泣きたかったら俺も見てねぇし他には誰もいねぇ
思いっきり泣け」
そう言われて恋歌はシャンクスの胸を借りて大声を上げて泣いた。