第3章 彼女の思い…
後藤『どうして、その男を?』
八雲『その男が、今回の一連の出来事に関わりがあるからです…。』
と八雲が後藤に説明した。八雲のその言葉を聞いて後藤が分かったと頷(うなず)いたのを確認した後、八雲は、晴香と目的の場所へ向かった。
晴香『ここがそのお店だよ。』
八雲『そうか…。で、例の先輩と言う人は何処に居る?』
八雲がそう言った時。八雲の後ろから、声が掛かった。
充『もう、着いて居たんですね。少し道が混んでいて、遅れてしまい申し訳ありません。初めまして、晴香さんと一緒に仕事してます、山野充と言います。』
と充が八雲と晴香に頭をさげて、謝りながら自己紹介をした。
晴香『あっ、充さん。こちらこそ、いきなりですみません。店長に連絡を入れたら、充さんが一緒ならと言われて…。
あっ、すみません自己紹介がまだでしたね。彼は斎藤八雲君と言って、私の大学の友人なんです。』
充『八雲さん、ですね。以後お見知りおきを。いえいえ、確かにあの場所は色々あるので、中には貴重な物もあるらしく、基本従業員以外は、入れないようにしてるんですよ。』
と晴香と八雲に、充が笑顔で説明した。
充『では、入りましょうか。』
そう言って、充が店の鍵を開け、晴香と八雲を店の中に案内する。
そして、目的の場所に着く。そして、晴香が八雲に伝える。
晴香『この鏡だよ。』
八雲がその鏡に眼を向けた時、その鏡に1人の女性が映っていた。それは紛(まぎ)れもなく、写真でみた女性。南野空だった…。
晴香『八雲君、どう?』
晴香の問いに、八雲が答える。
八雲『ああ…彼女に間違い無い…。』
晴香はその言葉で、理解した。
晴香『ここにいるの?』