第12章 藤の家
「はぁ、やっと着いた。」
長い調査の任務を終え、くたくたの常態でたどり着いた藤の花の家紋の家。
陽華が門を叩くと、中から小さなお婆さんがでてきた。
「ひささん、おひさしぶりです。お世話になります!」
「これは氷柱様。ようこそ、お越しくださいました。」
鬼殺隊に入ってから、何度もお世話になっている藤の家。いつも優しく迎えてくれるこの老婦人が陽華は大好きだった。
「ひささん、今日の夕飯は何?」
部屋に案内される途中、陽華は老婦人に向かって質問した。
「今日は天ぷらでございます。お部屋に荷物を置いたら、お座敷にいらしてください。お夕飯にいたしましょう。」
「ありがとうございます!」
「それと昨日からですが、他に三方、鬼殺隊員様がいらしてますよ。」
そう言って陽華を部屋まで案内すると、老婦人は深々と頭を下げてその場を跡にした。
陽華は言われた通り、荷物を起き、置いてあった部屋着に着替えるとお座敷に向かった。