第46章 ※番外編・祝、冨岡義勇生誕 帰ってきた、鬼殺隊!!
部屋の準備が整うまで、ロビーでホテル側が用意してくれた、飲み物とお茶菓子を、みんなで楽しんだ。
ロビーの椅子に座り、アイスクリームを食べる勇兎が、陽華に問いかける。
「ねぇ、お父さんとお母さん、修行してたんでしょ?」
「修行??」
陽華の問いかけに、勇兎はコクリと頷いた。
「天元のおじちゃんが言ってたよ。僕を為に修行してるって。」
「勇兎の……ため?」
勇兎が言っている意味が、まったく掴めず、陽華と義勇は同時に首を傾げた。
「うん!!もしかしたら、弟か妹が出来るかもしれないって!!僕、妹が欲しいんだ。」
そう笑顔で話す勇兎に、陽華と義勇の顔が引き攣る。
「…………宇髄、どういうことだ?」
静かに問いかける義勇に、隣のテーブルで、同じく出された珈琲を飲んでいた天元が、ビクッと身体を震わせた。
「天元さん、まだ年端も行かない子供に、なんて説明をするのよっ!」
さすがに今回ばかりは見逃せない。陽華も天元に詰め寄る。
「あ、いや、俺はただ、お前達の息子を慰めてやろうとして……だな、」
「お前の配慮には感謝している。だがっ…、」
義勇が天元をギロリと睨んだ。
「ここでは、不義に反した者には、それなりの処遇が待っている。……お前たち、来いっ!」
「「「はいっ!」」」
出番を察知して、炭治郎と善逸と伊之助が、義勇の元に来た。
「宇髄を拘束しろっ。」
「御意!」
義勇の一言で、三人が一斉に飛びかかる。
「おい、なんだお前らっ!」
「宇髄さん、すみません。ここでの決まり事なんで。」
炭治郎が謝りながらも、ギリギリと間合いを詰めてくる。
「お、おいっ、やめろ…、う、うああぁぁぁぁぁ!!」
数分後、地下の寝具室には、宇髄天元が拘束されていた。
「お前ら、ふざんけなっ!ここは俺のホテルだぞーーーー!!」
地下の廊下に、天元の悲痛な叫びが木霊した。
※番外編・祝、冨岡義勇生誕 帰ってきた、鬼殺隊!!完