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【鬼滅の刃】水魚之交

第39章 目覚め





「でもせめて、お前に掛かる負担は、少しでも減らしたい。傷が癒えたら、本格的に訓練に励むとしよう。」

「うん、じゃまずは、左手で不自由なく過ごせるように訓練しなきゃね。それと…ご飯の食べ方、左手では綺麗に食べれるように、頑張ろう?」

陽華は笑顔でそういうと、義勇は気まずそうに苦笑いを浮かべた。

「あれは…あの食べ方は、お前に構って欲しくて、気を引こうとしたことが、癖になっただけだ。だから気をつければ、すぐ直る。」

「…そうなの?」

聞き返すと、義勇は頬を赤らめて頷いた。

その姿の義勇が本当に可愛くて、陽華はニヤけてしまいそうな顔を隠すため、義勇に抱きつき、その胸に顔を押し付けた。

そんなに小さい頃から、自分の気を引こうと奮闘してくれていたことを考えたら、嬉しくてしょうがない。

「じゃ、もう直さなくていいよ。…義勇に付いたご飯粒、私が一生、取ってあげる。」

「あぁ、頼む。」











きっと二人に残された時間は、そんなに長くない。でも二人一緒なら、支え合い、笑い合いながら、その最後の時まで、幸せな日々を過ごせるだろう。



その晩、二人は狭いベッドで寄り添いながら、鬼に出会う前の子供の頃のように、穏やかな気持ちで、深い眠りについた。



ー 目覚め 完
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