第38章 最終決戦 夜明け
どれくらい経ったのだろう。
みんなが炭治郎を見守る中、ゆっくりと目を開いた炭治郎は、みんなを見回し、その瞳から涙を溢した。
「……ごめん、みんな。怪我、大丈夫…か?」
「炭治郎、こんな時でも人の心配して、馬鹿ね。」
皆の顔が、一斉に驚きと笑顔に包まれる。
「戻ったああああ!!炭治郎だああ‼」
この瞬間、大きな歓声に包まれた。
こうして、禰豆子の身体を張った説得と、しのぶが残してくれた薬のおかげで、炭治郎は人間に戻った。
鬼舞辻無惨はその姿を完全に消し、残した種も消え去った。
千年にも及ぶ、長い戦いの日々が、鬼殺隊の長かった夜が、今漸く明けたのだった。
ー 最終決戦 夜明け 完